こんばんは。
おふたりの特別な時間のお手伝いをしている
時の宿すみれの女将 黄木綾子です。
今日も ここへ来てくださった あなたに ありがとう。
初めての方 最後まで読んでいただけたら 嬉しいです♪
今日ね、厨房で 「すき焼きのタレ」の仕込みがあったんですよ。
お味噌を使った 自家製のタレのことですが お醤油がベースとなり お味噌でお味を調えるんです。その他の調味料や レシピは祖父母がタクシー会社から肉屋を始め、後に食堂を開業した頃から少々の変化はあるものの 当時と変わらない味なんですよね。
わたしが幼いころ 自宅とお店の厨房が一緒だったことから いつも両親や祖母が料理をしているところや、肉屋の従業員さんや叔母達が加工品のすみれ漬を仕込んでいるところなど あらゆる作業をしているところを見て来ましたが この「すき焼きのタレ」も同様にそのいつも 家族みんながいる厨房で祖母が仕込んでいたものなんです。
だからね、「すき焼きのタレ」の仕込みの様子を見ると決まって、決まって、昔のその頃の状況が浮かんでくるんですよね。
邪魔する気持ちはないのだけれど 傍に行って鍋を覗きこむと おばぁちゃんはニコニコして話してくれたんですよね、「ほら、こうやって煮立ってきてブクブクになったら、このブクブクを取るんだよ。ブクブクを取ってあげっと、すき焼きが美味しくなる」って。
今日ね、厨房で「アク」を取る作業を見ている時に またそういうことが昔の厨房の様子と一緒に蘇りました。
そしてね 「あ~、美味しくなるんだな~」って 安心した気持ちになっていたんです。
わたしにとって お宿のすき焼きは昔ながらのおばぁちゃんの味です。
家でのすき焼きも大好物の一つ。
家族の笑顔がいっぱいの食卓でした。
肉屋で生まれ育った環境、レストラン、結婚式、披露宴などで家族の仕事ぶりを見て、家業のお手伝いをしていたわたしですが そういう経験から 今のわたしがあるんだなぁ~ってつくづく感じました。
お宿でご用意させていただくお料理は わたしにとって大切で 大事に守っていきたいもの。そして お料理を通して 米沢の温かさや食の豊かさを感じていただき お客様の大切なご旅行のシーンに いつまでも思い出に残るような時間にしてほしい思いがあります。
わたし達がいつもそのことを胸に 素直な気持ちで思いを表現しお料理にして届けることで きっとお客様にも伝わって 素敵な時間を過ごしていただくことができるんじゃないかなぁ~ってあらためて思うんです。
もう、9月だけれど すみれガーデンにはまだ 紫陽花が咲いています。
蝉の鳴く しっとりとした雨の中に 季節外れのようですが
実にきれいな光景の今日でした♪