「すみれさんの 名前の由来は?」
昨日 お客さまからいただいたご質問だったのですが ここにも書いておこうと思います。
こんばんは。
お二人の特別な時間のためのお手伝いをしている
時の宿すみれの女将 黄木綾子です。
お客さまからいただいた ご質問だったのですが ブログには書いていなかったことかもしれません。お客さまが 「お名前が とっても素敵で 好き。」 って言っていただき わたしもうれしかったのですが この「すみれ」の名前の由来は 昭和5年まで 遡ることになるんです。
わたしの祖母 黄木ハルは 夢多き乙女だったらしく(笑) 今で言う高校生の女学校時代から 先輩や同級生が花嫁修業で「ソレお茶だ」「ソレお花だ」とお稽古事ばかりしている中で 祖母だけは どうしても 自動車の運転手になりたかったそうで。
昭和4年には 県下女性ドライバーの第一号甲種免許試験にパスし
昭和5年には 「スミレ自動車」という タクシー会社を開業、最初は祖母一人で 運転手を務めていたらしいのです。6年間やっていたタクシー会社も 車が5台に増えて 男性の運転手とともに負けずに 走り廻っていたいたらしく 世間では 免許を取ったことも 白い目、赤い目で見られていたけれど タクシーの運転手ということで よほど変わりものとみられていたかも。と祖母は言っていたそうです。おてんば娘だったのでしょうが わたしが知る祖母は お料理上手で家族やお友達を楽しませるのが大好きだった。両親が忙しかったなか いつも遊びに連れて行ってくれたり ご飯を食べさせてくれたり 風邪をひくと のど元に「焼いたネギ」をあててくれたり 卵酒を作って飲ませてくれたり 普段はとっても優しかったです。でも 仕事や躾のこととなると 厳しくなる(笑)お店と自宅が一緒だったから 電話がかかると茶の間で仕事の電話も受けたり。そんな時に回りでおしゃべりしようものなら すごく叱られたものです。「お客さまから電話なんだから静かにしなさい!」って。こたつに腰かけた時も 頭を叩かれそのことを今でも覚えてます(笑) あたり前のことですけど。
タクシー会社の名前の「スミレ自動車」は 祖母の好きな「花」の名を付けたもの。
後に 戦時色が濃くなり ガソリンも配給制でタクシー会社は 合併となったのですが 二年後には 当時から牛商業をしていた曾祖父の元々の家業の牛肉店一本にすることになったようです。
スミレ自動車の名から 後の 牛肉店の看板商品 牛肉の味噌漬けの加工品「すみれ漬け」
そして 今の旅館の前身の旅館である 昭和55年に開業した「健康の宿 すみれ荘」
「すみれ」 は そうして 受け継がれてきました。
「すみれ」の名前には 素朴で優しくも どんな環境にも力強く咲く花 のイメージを わたしは 持っています。 祖母の好きな花という 意味が 春の花と言うだけでなく わかるような気がしています。
祖母の好きな 花の名前を。
思いが こめられた 名前を なくさないで やめないで 受け継いで 良かった。
そう 思っています。
また引き続いて 祖父母のことなど 書いてみますね。
今日も ここへ来てくださった あなたにありがとう。
はじめての方 最後まで 読んでいただけ嬉しいです。
では、また ね。